ゴールへアクセル全開!現状から抜け出すエネルギー源はコレ!(用語解説:認知的不協和)
今回の用語解説シリーズは「認知的不協和」についてお話ししたいと思います。
認知的不協和とは?
この言葉を聞いたことがある方も多いと思いますし、『コンフォートゾーンの作り方』を読んでいただいてもいいかな思います。
認知的不協和ですが、我々が内面で認識している世界と、実際に目の前に広がっている世界がズレていると、ここに不協和を感じるわけです。これがまさに認知的不協和です。
ゲシュタルトは一つしか維持できない
我々のマインドのからくりとして、ゲシュタルトは一度に一つしか維持できないため、内面のイメージか、もしくは目の前に広がっている物理空間のイメージか、どちらかを選ぶことになります。
目の前に広がっている物理空間のイメージが正しいと認識して、内面のイメージを書き換えてそこに合わせると、現状維持が続くことになります。
我々がコーチング理論を学んで実践することは、現状のコンフォートゾーンの外側にゴールを設定することになります。
そしてそのゴールを達成している時のコンフォートゾーンの中にいる自分のセルフイメージを、臨場感を高くもつことが内面のイメージになります。
しかし周りを見てみると、全然そのゴールを達成している状況とはかけ離れています。ここに認知的不協和を感じるわけです。
我々はそのゴールイメージを現状に戻さず、ゴールを決して下げないということをやっていきます。
ゴールを達成している時のコンフォートゾーンのイメージに合っていないところを変えていかなければなりません。これによって勝手に行動が起きてくるのです。
認知的不協和のエネルギーを使ってゴールを達成するエネルギーに変えるというところが、このコーチング理論で説明している部分です。
ここはしっかりと押さえておいていただきたいと思います。
認知的不協和を利用したマーケティング例
例えば、テレビコマーシャルなどでその認知的不協和を仕掛けられて、実はものを買わされていることに気づく必要があります。
私自身も外資系コンサルティング会社に勤めていたとき、マーケティング戦略のプロジェクトで一緒に組んだ先輩がこの辺に詳しい方でした。
もともと大手広告代理店にいた方でもあり、ビジュアルやデザインに詳しく、パワーポイントの資料の作り方なども徹底的に鍛えられました。
その中で、マーケティングのプロジェクトにおいて、まさに認知的不協和を起こさせるためにどうするかという議論を何度も行いました。
その中で例えを挙げると、大手広告代理店が制作する自動車のCM広告があります。
その自動車のCMは新しいデザインがかっこよかったり、目を引くものであること、スペック的にも最高で、これまでにない技術革新が組み込まれていることが前提で広告として訴えていくわけです。
しかし最終的には、その広告を見ている消費者に「この車に乗っているとこんな良いことがある」という映像をどんどん差し込んできます。
例えば、ハンドルを持っている映像や、車がすごいスピードで走っている映像、隣には綺麗な女性がいるシーンなどです。こうしたシーンを挿入することで、その車に乗っているかのような臨場感が高まります。
さらに、ドアの閉まる音など細部にもこだわり、車の運転席に座って運転しているイメージを強く擦り込んでくるのです。
それを見ているうちに、自分もその車に乗っているような気持ちになり臨場感が高まってきます。この臨場感の高い広告を何度も見ることで、その車に乗っている臨場感が内面に擦り込まれていきます。
すると、普段乗っている車に古さを感じ、「もっとかっこいい車に乗っていたはずなのに、なんで自分はこんな車に乗っているんだろう」と 感じるようになります。そしてディーラーに行って契約してしまう、ということが起きるわけです。
これは広告代理店が緻密に計算して作っているもので、いかに認知的不協和を起こして物を買わせるかを考えています。現状に不満を感じさせ、新しい物を購入した方が素晴らしいということを訴えてきます。
広告代理店はそういう仕掛けのプロなので、我々は無意識レベルでどんどん書き込まれていることに気づかないといけません。
今テレビを見てる人は相当少なくなってきていると思うので、こういう現象からまた離れているかもしれません。
ですが、場合によってはYouTubeなどSNSの中でその情報の書き込み、刷り込みが行われたり、まさに今認知戦と言われているところですから、そういう情報がどんどん脳に刷り込みを行っているということに気づかないといけないのです。
認知的不協和を利用してゴールを達成する
まずは、認知的不協和という概念を理解し、内面で持っているイメージと目の前に広がっている物理世界のギャップを作ることが重要です。
意識的にゴールを設定し、ゴールを達成している時のコンフォートゾーンのイメージ、自分のセルフイメージを強烈に作ることによって、現状のコンフォートゾーンに問題を感じるようになります。
そしてゴールを達成している自分が当たり前だ、これが正しい自分だということで、そこに向かい、いつの間にかゴールを達成しているということです。
だから何か行動を起こさなくてはならない、行動を起こそうということではなく、気がついたら行動を起こしているということです。
この認定不協和で言うと、現状のコンフォートゾーンを維持するゲシュタルトと、ゴールを達成している時に自分がいるコンフォートゾーンを維持するためのゲシュタルト、この2つのゲシュタルトを同時に持てないということです。
ゴール側なのか現状なのか。もちろん我々はゴール側を選択したいわけです。
ゴール側を正として、正しい場所として、今いる場所が、今いるコンフォートゾーンが問題だらけである。だからそれを解決していくために、いろんな活動をしていこうとアイデアも出てくるし、実際の行動も勝手に起きるのです。こういった流れでゴールを達成していくということです。
認知的不協和というこのマインドの、このからくりをきちんと確認した上で、しっかりとゴールを設定し、そしてゴールを達成していく。
そのためには、どのようにしていけばいいかを学んでいただければいいんじゃないかなと思います。
今回は認知的不協和についてお話をしました。また次回お会いしましょう。
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