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【ブログ】スコトーマ(心理的盲点)が邪魔をする!?問題解決策の見つけ方(用語解説:ロックオン・ロックアウト)

6月 11, 2024

スコトーマ(心理的盲点)が邪魔をする!?問題解決策の見つけ方(用語解説:ロックオン・ロックアウト)

今回のコーチング用語解説シリーズは「ロックオン・ロックアウト」についてお話しします。

ロックオン・ロックアウトの原理とスコトーマ

私たちのマインドは、重要だと判断した情報しか脳に届かないというカラクリがあります。これを「ロックオン・ロックアウト」という原理で説明します。

具体的には、脳が重要だと認識した情報は「ロックオン」され、その情報は脳に届きます。しかし、それ以外の情報は「ロックアウト」され、認識できなくなるのです。この認識できない領域を「スコトーマ(心理的盲点)」と呼びます。

ロックオンとロックアウトの原理

では重要な情報とはなんでしょうか。それは、自分にとって価値があるもの、そして身の危険を感じるものです。

例えば、どんなに騒がしい場所でも、火災報知器が突然鳴り始めたらすぐに気づきますよね。あるいは、大きなパーティー会場で遠くから自分の名前を呼ばれた時も、すぐに気づきます。

話に夢中になっている時でも、遠くで自分の名前が呼ばれると「今、誰かが自分を呼んだな」と認識に上がります。これは脳のロックオン・ロックアウトの原理で説明出来ます。

自分にとって重要な情報を取捨選択するカラクリがあるということです。まずはこの「ロックオン・ロックアウト」のカラクリがあることを理解しておきましょう。

そして重要だと感じた情報が脳に届く一方で、それ以外の情報は認識されない、この領域を「スコトーマ(心理的盲点)」といいます。

スコトーマ(心理的盲点)の仕組み

我々が展開しているこのコーチング理論の中では、この「スコトーマ」はとても重要な概念です。

「スコトーマ」という言葉はギリシャ語で、元々は眼科用語です。眼球の中で視神経が集まり束になっている部分では光を認識できないため、その部分が盲点になります。

私たちの両目にそれぞれ盲点がありますが、両目で見ているために互いに補完され、さらに目を常に動かしているため、普段は盲点は意識に上がりません。

1970年代からコーチングを広めてきた元祖コーチのルー・タイス氏は、心理的にも私たちには盲点があるとして、眼科用語であるギリシャ語の「スコトーマ」をコーチング理論に取り入れました。つまり、我々のマインドは重要だと認識した情報にロックオンすることで、それ以外の情報はロックアウトされて、スコトーマ(心理的盲点)に隠れてしまい、心理的な盲点がうまれるということです。これはコーチング理論において非常に重要な概念です。

私たちが、例えば問題解決の方法が見つからないと考えるとき、それはスコトーマ(心理的盲点)に隠れているだけなのです。認識できないだけなのです。

多くの人が、目の前にあるのに認識出来なかったという経験は、これまで様々な日常生活の中で経験してきていると思います。重要だと感じた情報は脳に届き、それ以外の情報は認識されず、その領域をスコトーマという。まずは、この仕組みを理解することが重要です。

一人一人の重要性は異なり、変化する

同じ場所にいて同じ方向を見ていても、例えばその見ている風景を絵に描いてみると、隣同士に座って同じ方向を見ている人たちが全く違う絵を描くことがあります。

ある街の風景を描くという場合、ある人は遠くにあるタワーに興味があり(=重要性が高い)、それを細かく描きますが、手前の小さなビルには全く興味がないので描かなかったとします。一方で、その人の隣の人は手前のビルに興味があり、そのビルを詳しく描きますが、遠くのタワーには関心がなくほとんど描いていなかったという例が実際にあります。

このように、何が重要かは人によって異なりますし、一人の人間でも時間とともに重要性が変わることもあります。この点をしっかり理解しておくことが重要です。

だから、ロックオンロックアウトの原理を学んだ上で、人それぞれ認識する世界が異なること、そして自分が重要だと感じることは常に変わること、つまり認識する世界が常に変化することを認識しておくことが大切です。

そうすることで、例えば、今の瞬間は問題の解決方法が全くわからなくても、それはスコトーマに隠れているだけかもしれません。

自分自身の重要性をズラすことによって、スコトーマが外れ、問題解決に必要な情報が脳に届きあっという間に解決法を見つけるようなことが出来ます。

ロックオンロックアウトの原理やスコトーマの概念を学び、日常生活でどのように活用するかまで広げて学んでみてください。

スコトーマを外すヒント

もしアイデアが浮かばない、あるいは目の前の壁を乗り越えられないと感じているなら、それはスコトーマ(心理的盲点)に隠れているだけかもしれません。

そんな時は、自分に「問題解決方法はスコトーマに隠れている。スコトーマはどこにあるのか?スコトーマが外れれば、解決方法が一瞬で見つかるはずだ」とセルフトークをしてみましょう。

そして、自分自身の重要性を積極的に変えてみてください。そうすることで、スコトーマを外しやすくなるマインドの使い方が出来るようになっていくと思います。

今回のテーマとは少し違いますが、キーワードとしては「抽象度を上げる」ことも重要です。

抽象度を上げることで視野を広げ、スコトーマ(心理的盲点)を外しやすくするやり方もあります。自分の価値基準に固執せず、常識を疑ってみることや、こだわりなどの固定観念を緩めることをしてみてください。こういった寛容なマインドと柔軟な思考が重要です。

さらに、自分の視点だけでなく、他人の視点や第三者の視点を取り入れることで、スコトーマを外しやすくなります。このテーマについては、今後も詳しくお話しする予定です。

今回は、ロックオン・ロックアウトの原理とスコトーマについてお話しました。これからも多くの概念を紹介していきますが、まずは基本をしっかり理解していただければと思います。

▼今回の内容は動画でも視聴できます▼

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